【社長コラム】イノベーションの流儀   第15回 ふたたび社長に

【社長コラム】イノベーションの流儀   第15回 ふたたび社長に

私事ですが、3月末を以て代表を退任することになりました。
ですから、この社長コラムも閉じることになります。
でも完結編を書かずして終われませんので、来月以降はタイトルなどを変えるなど、少し工夫した上で書き上げたいと思います。

サラリーマン人生の半分近くは経営者としての道を歩んで来ました。
自分自身で立ち上げた社内ベンチャーの会社から始まって、4社の経営を任されてきました。
自分で通信簿をつけるとすれば60点くらいでしょうか。

では本題に入りましょう。
前回はいろいろな社内駆け引きの話をしましたが、
今回は新たなビジネスモデルの実現に向けて、大きく舵を切った話をしたいと思います。

ある5月の快晴の日、社長からグループ本社に同行するように言われ、会社前からタクシーに乗り込みました。
車内で社長に用件を尋ねても、はぐらかされてばかりの中、タクシーはグループ本社の玄関前に滑り込んで行きました。
そのまま役員フロアにある社長室に案内され、グループ本社社長から着席を促された後、
開口一番出た言葉が、法人事業会社の社長就任の内示でした。

全く予想していなかった言葉に、返事をする間もなく、グループ本社社長の私への期待する言葉が続いていました。
そんな中で、もう頭の中は新たなビジネスモデル実現に向けた構造改革のことでいっぱいでした。
社長は1年前倒しで自身の退任を考え、私に譲ることで構造改革をやり易くする環境を作ってくれたと思います。
早速、新たなビジネスモデルの実現に向けたビション、戦略、組織体制、システム、組織スキル、人財、風土など、青写真作成に着手しました。
特に支店長や社員が一番関心の高い、または抵抗が予想される組織体制については、社内理解を求めるための目的の明確化、
メリットや課題などを整理した上で、外部のコンサルティング会社を入れて、すべての業務の洗い出しをしました。
拠点を集約することによるメリットとデメリット、その対策まで検討しました。

結果、かなりの効率化とナレッジの共有が図れ、事業領域拡大を実現する上では、
拠点集約(広告代理店モデル)は理想の組織体制だと言う結論に達しました。

問題は支店長事業部長をはじめ社員にどう理解させ共感を得るかでした。
その方法は全社員を集め、トップ自らビジョンを語り、イノベーションの必要性を伝えるしかないと判断しました。

まずは1000名近い社員が入る物件を探したのですが、利便性やオフィスのサイズからも難航を極めました。
やっと見つかったのが、2フロアで収まる理想的な物件でしたが、なにせ駅から遠いのが難点でした。
でも逆転の発想で考えれば、駅から遠いからこそ、計画的な営業が求められ、
モバイルを使いこなすことによって、効率的な営業が実現できると思いました。

利便性の悪さに反発されると考え、一番利便性の良い支店の5年にわたる営業成績を調べた結果、
ひとり当たりの生産性が極めて悪く、長年低迷していることが分かりました。
その原因は、利便性が良いことから、計画的で効率化された営業が出来ていなかったからでした。
利便性と業績に相関関係はないと結論づけました。

1フロアが1100坪、2フロアで2200坪の巨大なオフィスになるので、
社員が使いやすく、会社が変わると言うイメージを強く打ち出せる先進性をコンセプトに設計しました。
会議室はいろいろな国の都市名をつけ、すべてガラス張り使様にしました。
支店長や事業部長の個室は廃し、課長にはスタッフと同じ席につかせることで、
上司部下のコミュニケーションを促進させる工夫を凝らしました。
眺めと十分な採光が取れるモダンな休憩室や図書スペースなど、今までにない斬新的なオフィスを考えました。

支店長や事業部長からは個室の必要性を訴えられましたが、なにせ社長室がないのですから、
それ以上声を上げるものはいませんでした。

オフィスのイメージが固まった時点で、全社員を都内のホテルに集めました。
これからの市場環境の変化、社のあるべき姿、ビジョン、イノベーションを起こし続けることの必要性など、
原稿なしで約1時間に亘って社員に熱く語りかけました。

そのコンベンションの後、各支店事業部を回り、その必要性をさらに訴えました。
十分な説明を尽くし、社員は納得してくれたと思った矢先、、、、予期せぬことが起きました。
その続きは次回お話をしたいと思いますので、ご興味のある方は、またのご来訪をお待ちしています。