【社長コラム】イノベーションの流儀   第14回 変化を起こす

【社長コラム】イノベーションの流儀   第14回 変化を起こす

このコラムをご覧いただける頃には、桜前線は東京辺りまで上がって来ているでしょうね。
私が一番好きな季節、春本番です。
初々しい新社会人がビジネス街を歩く姿や転勤で東京に来て、
何となく不安を感じているサラリーマンなどを見ていると、
これからいろいろなものがスタートすると言う感覚になるのが好きなんです。
皆さんはどうでしょうか。

前回は、新しいビジネスモデルを作り上げるための組織構造の変革の必要性と、最後は社内駆け引きの話で終わったかと思います。

まずは組織改革を進めて行く上で、同じ理念とビジョンを共有できる仲間を作る必要がありました。
限られた本社メンバーでは、おのずと限界がありましたので、そこで目をつけたのは、現場の筆頭課長たちを味方につけることでした。
現場のNO2を仲間に引き入れると言うことです。

筆頭課長たちを集めてやったことは、新しいビジネスモデルを作り上げるための理念とビジョンの共有です。
その時も同じように知人の大学教授にお願いして、これから求められる市場戦略を中心とした話をしてもらい、
3つのグループに分けて、ビジョンを達成するための戦略、組織構造、組織スキル、人財、風土などについて議論をしてもらいました。

3つのグループの発表されたこれからの組織構造については、答えが一緒でした。
一緒でした、、と言うよりは、そう仕向けたと言った方が正しいかもしれません。
知人にそうなるように誘導してもらったのですから。
でも新しく掲げた理念とビジョンを達成するためには、組織構造についての答えはひとしかなかったとも言えます。
一番大事なことは、当事者となるメンバーが自ら考え、答えを出したことに大きな意味があります。

それからは現場トップよりも筆頭課長たちにすべての情報をいち早く伝えました。
本社メンバーと同等に扱うことによって、本社の求心力を強くしたのです。
今までの支店中心経営をひっくり返し、本社主導の経営に変えたかったからです。
その戦術ははじめ上手く機能していましたが、だんだん現場トップからのプレッシャーが強くなり、
経営会議で決定されたことも、上手く推進できなくなる状況に置かれることもありました。
社長からは現場が反対していることを強引に進めることについての問題の指摘を受けました。

それから流れが逆流し始めたのです。

今までの支店中心経営から来る現場トップが集まった強さは強力でした。
どうやったらこの苦しい状況を打破するか、思案しました。

結論は社長への直談判です。
もう一度、これからの市場環境が変化していくこと、我々のビジネスモデルがいかに古くいずれ事業継続が難しくなることを説きました。
事業領域を拡大するためには、従来のやり方を否定し、組織の構造そのものを変革するしかないと訴えました。

現場が反対するのは、大きく変わるからです。
私も含めて、人間は変化を嫌うものです。
今の業績も悪くなかったので現場が反対する気持ちも良く分かりました。
私自身もできれば変えたくないと思う反面、将来の国内マーケットが縮小して行くことが明白である以上、
まだ業績が良い内に、イノベーションを起こすべきだと考えていました。

社長は私と現場の間に挟まれ、心労が絶えなかったと思います。
将来の大胆な構造改革を前提に、現場との妥協点を探りました。
止まったままではどうにもならないので、半歩でも進めるためには仕方がないことでした。

それから1年後、チャンスが巡って来ました。
その話は次回にお話したいと思いますので、またのご来訪をお待ちしています。