【社長コラム】イノベーションの流儀   第7回 プランナーに必要な能力

【社長コラム】イノベーションの流儀   第7回 プランナーに必要な能力


皆さん!こんにちは!

皆さんはゴールデンウィークをどう過ごされたでしょうか。
私は「概念芸術の地平」と「ホスピタリティ原論」と言う哲学的な本を選んで読んでみましたが、
言葉があまりにも難しく、読破したものの消化不良で終わってしまいました。
普段は経済誌やマーケティングやマネジメントに関わる本ばかり読んでいるので、
原書のようなものは、私にとっては苦痛そのものでした(苦笑)
結局GW後半は映画のDVD三昧で終わった次第です。

さて今回で番外編も含めると9度目の掲載となります。
第7回は前回に続いて別会社設立に向けた準備段階から会社設立までのエピソードについてお話ししたいと思います。

新会社設立に向けた社内公募の面接で良い人財がいたと言う話を前回しました。
しかしながら、面接で二重丸を付けた社員は結局誰ひとり採用出来ませんでした。
応募者が所属する営業部や支店長が転出を認めなかったのです。
当時の人事部にクレームを上げても、各部の判断ですから、の一点張りです。
これでは公募した意味がありません。

事業の成功条件は人に尽きます。
それも日本で初めての動機付け専門会社となれば余計です。
後はプロパー社員の採用に期待を持つしかありませんでした。

プロパー社員の募集は大手の就職・転職情報誌で行いました。
担当の営業の方に、新会社設立の思いを強く訴えると、その意を汲んで見開き2ページを使い、熱く応募を呼び掛けてくださいました。
全ての応募者の方に、「この文章に感動して応募しました」と言っていただけたことは、今でも忘れられない思い出です。
さて、営業職とプランナー職を募集したのですが、応募してきた方は全員がプランナー志望。
面接にあたったのは、私と、現在も一緒に働いている今津さん(この新会社立ち上げのチャーターメンバー)の2人でした。
面接を開始するに当たり、この新会社のプランナーにはどんな能力が求められるのかということを再度2人で確認しました。

1つめは、論理性。
一過性の、おもしろおかしいイベントや旅行を企画し実施すればおしまいというビジネスではありません。
私が目指したのは、人のやる気を高め、顧客企業の業績向上を目指すビジネスです。
その目的を実現するためには、顧客企業の商品や販売チャネル、競合状況、動機付けの対象者が置かれている状況などを分析した上で、
どのような企画を立て、実施すればよいのかということを突き詰めて考えられる論理的な思考が必要なのです。

2つめは、創造性。
目的・目標達成に導くための企画の筋道は論理的である必要がありますが、
それを具体的な企画にしていくためには、対象者の胸を打つ感動的な演出やユニークな仕掛けが必要です。
そのようなアイデアを生み出せる創造的な社員を採用する必要がありました。

そして3つめが、プレゼンテーション力です。
どんなにその企画に論理性があり創造性に溢れていても、顧客企業の担当者・意思決定者の方にそれが伝わらなければ意味がありません。
納得性があり胸を打つプレゼンテーションができなければ採用してもらえないのです。

これらのポイントを確認した上で面接をしてみると、
やはり皆さん動機付けの会社のプランナー志望だけあって、論理性は全く問題がありませんでした。
そこで、創造性とプレゼンテーション力をチェックするために、とっさにこんな質問をしてみました。

「今日はあなたにとって、新たな道を歩むことになるかもしれない大切な面接の日ですね。
 この面接が終わってから、あなたの大切な人と、この特別な日にあなたの演出で素敵なデートをするとしたら、どんなことをしますか?」

このような正解のない問いに対して、ストーリー性があり、かつユニークな企画を、こちらがわくわくするように話せるかを試したのです。
この質問に対して、ある女性は、ご主人と夜の動物園に忍び込むという企画を楽しそうに話してくれました。
その話がとても面白かったので、続いて、

「あなたの大好きな叔父さんが定年退職を迎えるとします。あなたらしい演出で、お祝いをしてあげてください」と問うと、
「叔父は桜の花が大好きなんです。叔父のために代々木公園の桜を独り占めさせてあげて・・・」とまた楽しそうに話すのです。

これらの話をしてくれた彼女は元英語教師で、過去流通にいた経験を持ち、頭も切れましたので即採用としました。
他に2名の男性も採用しました。
高校球児だった男性には、

「あなたは岡山出身で、今東京で働いているので、ともに甲子園を目指した仲間になかなか会えないでしょう。
 もしあなたが当時の野球部のメンバーを集めて久しぶりに野球部の同窓会をするならどんな企画を立てますか?」と聞いてみました。

この彼も、野球に因んだ演出を盛り込んだパーティー企画を熱く語りました。
こうして、ひとりは業界の旗頭と言われたIT企業にいた情熱の塊のような男、
もうひとりは関西弁を話す、アメリカの大学でMBAを取得した男を採用することができました。

3人とも大企業にはいないタイプで、実力は未知数でしたが、新しい事業に挑戦したいと言う想いが伝わって来たことが決め手となりました。

それから2月に通常の人事異動があり、新たに8名の出向社員が決まりました。
出向社員はこの子会社で新たな事業にチャレンジしたいという熱い想いを持って異動して来たわけではありません。
プロバー社員と出向社員とでは、最初から想いにギャップがある中で船出を余儀なくされることになりました。

そんな中で、会社スタートの2か月前に問題が持ち上がりました。
ある担当に任せていた会社設立準備がほとんど進んでいないことが分かったのです。
勘のようなものが働いたというか、その担当者の行動や表情を見ていて何か不安めいたものを感じていました。

担当者に問い質すと案の定、このまま行くと設立が間に合わない状況になっていました。
私の方で予定表を作り、逆算して各項目に期日を設けた上で、その担当者と私で分担してやることにしました。
営業、人の手当て、会社設立業務などを短時間でまとめることに忙殺されたことを今でもよく覚えています。

並行して新オフィスの物件探し、決定した後の内装などの打ち合わせと、やるべき仕事が目白押しでした。
特に新オフィスの場所を決めるにあたっては、私自身のこだわりもあり、青山に決めたのですが、
社長からは場所を変えればもっと安い家賃の所があるだろうと言われてしまいました。

親会社のブランドが活かせない新事業である以上、オフィスの場所は人を採用する上でも重要な要素であることを社長に説明し、
やっとOKをもらいました。
それでも何とかギリギリ間に合い、桜が満開の4月1日に、いよいよ会社がスタートする日を迎えました。

その日の夜は、社長をはじめ関係役員や室部長を招いたオフィスパーティーがあり、
社員一同に激励の言葉をかけていただき、盛会の内に終わりました。
一部の社員を除き大半が引き上げた後の社長室で、担当役員から言われた一言は今でも忘れることは出来ないものでした。
その言葉とは、、、、、、、次号はその話から始めたいと思いますので、ご興味のある方は、またのご来訪をお待ちしています。