【社長コラム】イノベーションの流儀   第2回 インセンティブは米国流のおもてなし?

【社長コラム】イノベーションの流儀   第2回 インセンティブは米国流のおもてなし?

みなさん!こんにちは!
今回はマリッツ社を視察した後に訪問したアメリカのインセンティブ旅行のメッカ、
砂漠のリゾート、スコッツデールでのとんでもない体験についてお話しします。

スコッツデールは日本人にはあまり馴染みのないリゾートですが、昨年松山英樹がPGAツアー2勝目をあげた
フェニックス・オープンが開催されるゴルフ場に程近いリゾートと言えばピーンとくる方も多いのではないでしょうか。
ロスから飛行機で1時間半、フェニックス空港から車で15分の所にあるのがスコッツデールです。
パームスプリングスと並ぶゴルフのメッカとも言われています。空港に着いた時の気温がなんと40度を超え、
肌を刺すほどの強い陽射しでしたが、木陰に入ると風が爽やかに思えるほど、湿気のないカラリとした気候の地でした。

空港を出てまずフェニックス市役所に向かうと、市長自らが市庁舎前で待ち構えていて、
さっそく熱い歓迎を受けて驚いたことをよく覚えています。
後で分かったことですが、ロサンゼルス支店が日本の本社からインセンティブ関係を担当する社員が来るので、
フェニックス市にとって良い宣伝の機会になるからと伝えていたようです。
当時フェニックス市は日本人観光客誘致を進めていたので、我々はまさに「飛んで火にいる夏の虫」だったのでしょう。

その後、スコッツデールの主だったホテルに案内され、客室や宴会場、レストランなどの施設見学をしました。
大きなパーティでもあるのかなと思っていたら、その豪華な料理が我々のためだけに用意されたものと知り驚きました。
料理をただ食べさせるだけではなく、シェフがその場で調理する演出やシェフ自身による料理の解説を交えるなど、
「見せ方」にこだわるところは、さすがプレゼンの国アメリカです。

夜は市内にあるドックレース場のVIPルームに案内され、夕食が終わる頃にレース場内にある大型スクリーンに目を移すと、
我々の会社のロゴマークが入った歓迎メッセージが流れており、ファンファーレの合図で我々の社名を冠したレースが始まるじゃありませんか。
渡されたレース新聞にも大きく掲載され、レース終了後には場内の芝生の上で、大観衆を前に優勝した犬と記念撮影。
これで終わりかと思いや、ホテルのマネジャーや観光課の職員に連れられて行ったのが、多くのカウボーイが集まるウエスタンバー。
カウボーイハットをかぶり、夜中までの乱痴気騒ぎ、アメリカってこんなことまでするの?と言う感じでした。

翌朝は早朝に起こされ、陽が上がる前からカーボーイ達と馬に乗って荒野を歩き回り、1時間半ほど馬に揺られている内に、
卵とビーンズを焼く良い匂いが。見渡す限りサボテンが生い茂る荒野の中でいただく粗末な朝食がこんな美味しいとは。

カウボーイ達の話では、その朝食場所から数キロ先に、1000名までなら野外パーティが出来る施設があるとのこと。
西部の雰囲気を味わえる施設で、現代的なもの(建物や舗装された道路まで!)が360度見渡しても一切見えない徹底した設計です。
パーティ途中に数百名のインディアンが襲う演出や、それを追い払う騎兵隊を仕込むことも出来るとのこと。
もちろんマネー次第の話です。
フェニックス市と連携しているDMC(それぞれの地域でインセンティブの素材を提供するエージェント)スタッフいわく、
ゲストのどんなリクエストにも応えるのが我々の仕事だと言うことでした。

ここまで私が受けた熱い歓迎についてお話ししましたが、日本には「おもてなし」という言葉がありますね。
どちらも客人をもてなす作法ですが、表現方法に大きな違いがあるのは明らかです。私はこの違いは国民性の違いによるものと考えています。
アメリカ人は、感動が人を動機付ける上で大切なことを分かっています。たとえば「褒めて伸ばす」のは当たり前。
自分が褒められてモチベーションが高まった経験があるので、相手がどうしたら喜ぶかというのに徹底してこだわります。
相手が想像もしていないことを、いかにプレゼンするか演出するかを常に考えている。
そうした土壌から、マリッツ社のようなインセンティブビジネスの巨人は生まれたのです。

もちろん、私は日本流の「おもてなし」にも魅力を感じています。礼節を重んじ細やかでさりげなく、
それでいて疲れた心をそっと癒してくれるような温かみが欲しい時があります。
米国流と日本流のどちらが優れているかではなく、広い視点を持ち、お互いの良い部分をうまく混ぜ合わせながら、
お客様にとって最高のサービスとは何なのか、心を配り続けることが大切だと思います。

編集後記

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今回もアメリカのスケールが大きい感動演出の話でした。ともすれば大金にものを言わせて
目的を達成する横暴な話と思われがちですが、アメリカ人にとっては感動をフックに人を動
かすという発想はごく自然なんですね。日本人の上司と外国人の従業員の関係がうまくいか
ないのは、上司が褒めるのが下手なせい、というケースがあるそうです。訪日外国人旅行者
が増えている昨今だからこそ、感動を与えられるような「おもてなし」を心がけたいですね。
なお、私の好きな女優エマ・ストーンはスコッツデールの出身です。